Saturday, February 21, 2009

ステンレス鋼(SUS430)のドリル加工試験www.tool-tool.com

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広島県立西部工業技術センター 生産技術アカデミー 山下弘之

1. 試験の概要

ス テンレス鋼の穴加工は企業においては依然難しいとされる加工技術であり,これに対し工具メーカ各社は専用ドリルを多数提案・販売している。その中で広島県 呉市にある工具メーカ(A社)が独自の刃先形状を考案し通常のハイスドリルに適用して販売している。現在は主に日曜大工用品店向けの汎用ドリルということ で販売を行っているが,今後は一般工場向けへ販売拡大を目指している。

そこで今回の共同加工試験では,昨年度に引き続き当該工具と他社 製工具との加工特性比較を中心に加工試験を行った。加工試験では,品質工学の機能性評価を適用し電力量と加工時間の関係を基本機能としたSN比および感度 により比較を行った結果,2つの工具で違いが見られた。

2. 使用したドリルの比較

写真1に今回使用したドリルを示す。昨年度は直径6.5mmのドリルを使用したが,今年度は配布ドリルと同径の直径6mmのドリルとした。ドリル刃先形状に対する考察は昨年と同様。①は図1に示すように逃げ面が平面研削部から連続的に変化する形式で,シンニングを施した刃先形状を有している。チゼル角は115°程度でチゼル部刃長も1mm程度である。②は逃げ面にスリーレーキと呼ばれる加工を施したチゼル部形状となっている。

①A社製ハイス:特許出願済み



clip_image002

②B社製TiCNコーテッド粉末ハイス



clip_image004

clip_image006clip_image008clip_image010clip_image012clip_image014clip_image016写真1 使用ドリルの刃先形状

3. 使用機器

加工機   : 大阪機工PCV-40Ⅱ

使用ドリル : ①A社 ハイス φ6.0mm

        ②B社 TiCNコーテッド粉末ハイス φ6.0mm

工具観察  : マイクロスコープDH-2700

主軸電力測定 : 日置電気電力計3193

切削抵抗測定 : キスラー9257B三成分動力計(Z方向(スラスト荷重)のみ測定)

4. 試験方法

4.1 検討項目および試験条件

 昨年度は工具寿命試験を行わず,以下の加工時の特性を①②③の工具について比較・検討した。

①主軸消費電力,切削抵抗(スラスト荷重)の比較

②加工時の加工部周辺の温度状態の比較(赤外線熱画像装置により測定)

③穴内面の表面粗さの比較(切り屑等による損傷部は除く)

今年度は,品質工学の機能性評価を適用し,以下の考え方で3種類の工具比較を実施することとした。

ド リル性能評価は,加工可能穴個数(寿命),加工後の穴精度(加工精度),加工時間(加工能率)などの観点で評価が行われている。ただ寿命試験は材料や工具 に加え時間がかかるなどの問題があり,もっと簡便な評価方法が必要である。そこで昨年度評価した加工時の主軸電力を取り上げ,これに品質工学の機能性評価 を適用することとした。項目は以下の通り。

①新品時の切削特性の評価          ②工具摩耗を含めた切削特性評価

③ドリル素材の影響(ドリル素材を同じとした場合の特性比較)   ④コーティングの影響

試験条件は表1に示す。昨年の結果から切削速度,送り速度を設定した。被削材はフェライト系ステンレス鋼(SUS430)。

表1 ドリル加工条件


工具

A社製ハイス

A社製ハイスと同形状

(B社素材)

A社製ハイス

+TiN膜

TiCNコーテッド

粉末ハイス

工具径(mm)

6.0

切削速度(m/min)

10(531rpm),15(796rpm)

送り速度(mm/rev)

0.08,0.12

ステップ送り

無し

クーラント

水溶性切削油剤

         ドリル加工時の切削速度と送り速度の組み合わせは4通り

(①10m/minと0.08mm/rev,②10m/minと0.12mm/rev,

③15m/minと0.08mm/rev,④15m/minと0.12mm/rev)

4.2 解析方法

ド リルの機能を考えた場合,少ない消費電力で穴加工が安定して行えることが重要である。また回転数や送り速度などの加工条件もその設定範囲が広い方がドリル を利用する上では有利である。図1に切削時の主軸電力の変化を示す。ドリル先端部が材料に食い込んでいくにつれ電力,荷重が上昇し,材料中を加工する際は ほぼ一定の値を示す定常状態となり,最後に材料から抜け出る際には徐々に電力,荷重が小さくなる。安定した加工であれば材料中を加工する電力は一定で,そ の累積電力は時間に比例して大きくなる。そこで材料中を加工する領域を対象に,累積電力と累積時間の比例関係から品質工学のゼロ点比例式による解析でSN 比および感度を求め,これをもとに安定性および所要電力について評価することとした。2) すなわち加工時の電力変動がなく安定 しており,また電力消費が少ないことが理想として解析を行った。図1に示すように材料中を加工する際の電力変動を10区間にわける。また加工前後の無負荷 時の電力変動をそれぞれ5区間,合わせて10区間に分け,時間に対する累積電力量を計算する。累積時間を信号因子,累積電力を特性値として表2,3のよう に整理する。この際,電力変動の最大・最小,工具摩耗の有無は誤差因子として扱った。これに対し加工条件の切削速度,送り速度は一定状態で加工するのが普 通であり,今回はその影響を見る因子として扱ったのでSN比を求める際は誤差と扱わないものとした。

図1 加工時の電力波形の変化の様子

表2 実験データ形式(摩耗の有無を含めない場合)

M‘

N‘

累積時間

M1

M2

M3

M4

M5

M6

M7

M8

M9

M10

clip_image017clip_image018無負荷時電力量

(OFF時)

送り速度

0.08mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗無

Max

w11

w12

w13

w14

w15

w16

w17

w18

w19

w110

Min

w21

w22

w23

w24

w25

w26

w27

w28

w29

w210

切削速度

15m/min

摩耗無

Max











Min











送り速度

0.12mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗無

Max











Min











切削速度

15m/min

摩耗無

Max

w71

w74

w73

w74

w75

w76

w77

w78

w79

w710

Min

w81

w84

w83

w84

w85

w86

w87

w88

w89

w810

clip_image017[1]clip_image017[2]切削時電力量

(ON時)

送り速度

0.08mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗無

Max

w91

w94

w93

w94

w95

w96

w97

w98

w99

w910

Min

w101

w104

w103

w104

w105

w106

w107

w108

w109

w1010

切削速度

15m/min

摩耗無

Max











Min











送り速度

0.12mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗無

Max











Min











切削速度

15m/min

摩耗無

Max

w151

w154

w153

w154

w155

w156

w157

w158

w159

w1510

Min

w161

w164

w163

w164

w165

w166

w167

w168

w169

w1610

表3 実験データ形式(摩耗の有無を含めた場合)

M‘

N‘

累積時間

M1

M2

M3

M4

M5

M6

M7

M8

M9

M10

clip_image019clip_image020無負荷時電力量

(OFF時)

送り速度

0.08mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗有

Max

w11

w12

w13

w14

w15

w16

w17

w18

w19

w110

Min

w21

w22

w23

w24

w25

w26

w27

w28

w29

w210

摩耗無

Max

w31

w32

w33

w34

w35

w36

w37

w38

w39

w310

Min

w41

w42

w43

w44

w45

w46

w47

w48

w49

w410

切削速度

15m/min

摩耗有

Max

w51

w52

w53

w54

w55

w56

w57

w58

w59

w510

Min











摩耗無

Max











Min











送り速度

0.12mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗有

Max











Min











摩耗無

Max











Min











切削速度

15m/min

摩耗有

Max











Min











摩耗無

Max

w151

w154

w153

w154

w155

w156

w157

w158

w159

w1510

Min

w161

w164

w163

w164

w165

w166

w167

w168

w169

w1610

clip_image021clip_image022切削時電力量

(ON時)

送り速度

0.08mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗有

Max

w171

w174

w173

w174

w175

w176

w177

w178

w179

w1710

Min

w181

w184

w183

w184

w185

w186

w187

w188

w189

w1810

摩耗無

Max











Min











切削速度

15m/min

摩耗有

Max











Min











摩耗無

Max











Min











送り速度

0.12mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗有

Max











Min











摩耗無

Max











Min











切削速度

15m/min

摩耗有

Max

w291

w294

w293

w294

w295

w296

w297

w298

w299

w2910

Min

w301

w304

w303

w304

w305

w306

w307

w308

w309

w3010

摩耗無

Max

w311

w314

w313

w314

w315

w316

w317

w318

w319

w3110

Min

w321

w324

w323

w324

w325

w326

w327

w328

w329

w3210

注)4通りの送り速度と切削速度の組み合わせにより,板厚20mmを加工する時間が違うことから信号因子:M1,M2,M3・・・・・,M9,M10は,送り速度と切削速度の組み合わせ毎に4通りある。

注)累積時間と累積電力量は平方根とする。

5. 試験結果および評価

5.1 新品時の切削特性評価

A 社製ハイス,B社製TiCNコーテッド粉末ハイスにより,表1の条件でSUS430に1穴の加工を行い,その際の主軸電力を測定した。加工時の所要電力は マシニングセンター主軸の制御用インバータから電動機に供給される三相電源から求めた。またドリルは1条件毎に新しいものを使用した。図2に測定した2つ のドリルの電力波形の一部を示す。この電力波形を基に時間毎に累積電力量を求め,表4に示すように整理しSN比および感度を求めた。ハイスの場合の計算手 順を以下に示す。

clip_image027

(A社 上:条件①(0.08mm/rev,10m/min)          (B社 上:条件①(0.08mm/rev,10m/min)

      下:条件③(0.12mm/rev,10m/min))              下:条件③(0.12mm/rev,10m/min))

図2 穴加工時の電力波形

表4  試験データ(ハイスの場合)

M‘

N‘

累積時間

M1

M2

M3

M4

M5

M6

M7

M8

M9

M10

無負荷時電力量

(OFF時)





1.61245

2.28035

2.79285

3.22490

3.60555

3.94968

4.26615

4.56070

4.83735

5.09902

送り速度

0.08mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗無

Max

0.49489

0.70033

0.85793

0.98970

1.10650

1.21024

1.30520

1.39418

1.47747

1.55644

Min

0.43049

0.60903

0.74709

0.86282

0.96363

1.05357

1.13631

1.21341

1.28589

1.35437




1.32288

1.87083

2.29129

2.64575

2.95804

3.24037

3.50000

3.74166

3.96863

4.18330

切削速度

15m/min

摩耗無

Max

0.47244

0.66754

0.81749

0.94436

1.05497

1.15352

1.24390

1.32779

1.40658

1.48102

Min

0.42713

0.60321

0.73899

0.85320

0.95385

1.04244

1.12433

1.19997

1.27060

1.33802





1.32288

1.87083

2.29129

2.64575

2.95804

3.24037

3.50000

3.74166

3.96863

4.18330

送り速度

0.12mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗無

Max

0.40161

0.56812

0.69547

0.80242

0.89748

0.98476

1.06542

1.14003

1.21027

1.27637

Min

0.34846

0.49333

0.60455

0.69802

0.78019

0.85671

0.92784

0.99308

1.05422

1.11169




1.07238

1.51658

1.85742

2.14476

2.39792

2.62679

2.83725

3.03315

3.21714

3.39116

切削速度

15m/min

摩耗無

Max

0.38208

0.54003

0.66116

0.76321

0.85331

0.93457

1.00915

1.07835

1.14261

1.20314

Min

0.34565

0.48790

0.59765

0.68986

0.77086

0.84447

0.91100

0.97308

1.03099

1.08571

切削時電力量

(ON時)





1.61245

2.28035

2.79285

3.22490

3.60555

3.94968

4.26615

4.56070

4.83735

5.09902

送り速度

0.08mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗無

Max

0.68897

0.98008

1.213456

1.41588

1.58749

1.74480

1.89324

2.03524

2.17563

2.30353

Min

0.64080

0.90879

1.12230

1.30490

1.46299

1.60704

1.74205

1.86919

1.99161

2.10669




1.32288

1.87083

2.29129

2.64575

2.95804

3.24037

3.50000

3.74166

3.96863

4.18330

切削速度

15m/min

摩耗無

Max

0.66602

0.94577

1.16106

1.35125

1.51642

1.66846

1.81023

1.94745

2.07209

2.18073

Min

0.63424

0.89923

1.10259

1.28163

1.43837

1.58183

1.71609

1.84596

1.96448

2.06761





1.32288

1.87083

2.29129

2.64575

2.95804

3.24037

3.50000

3.74166

3.96863

4.18330

送り速度

0.12mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗無

Max

0.61588

0.86918

1.06822

1.23636

1.38445

1.51881

1.64346

1.76127

1.87350

1.97564

Min

0.57907

0.81680

1.00433

1.16219

1.30135

1.42818

1.54561

1.65672

1.76247

1.85909




1.07238

1.51658

1.85742

2.14476

2.39792

2.62679

2.83725

3.03315

3.21714

3.39116

切削速度

15m/min

摩耗無

Max

0.58356

0.82967

1.01888

1.18308

1.33454

1.47110

1.60137

1.72871

1.85276

1.97730

Min

0.55981

0.79587

0.97565

1.13262

1.27424

1.40586

1.53179

1.65426

1.77496

1.89498

注)4通りの送り速度と切削速度の組み合わせにより,板厚20mmを加工する時間が違うことから信号因子:M1,M2,M3・・・・・,M9,M10は,送り速度と切削速度の組み合わせ毎に4通りある。

注)累積時間と累積電力量は平方根とする。

(SN比および感度の計算手順:摩耗の有無を含めない計算:ハイスの場合)

全二乗和  St=w112+w122+w132+・・・・・・・+w1682+w1692+w16102 (自由度160)

       =0.49482+0.70032+0.85792+・・・・・・+1.65422+1.77492+1.89492=255.6888

線形式   L1=w11×M11+w12×M12+・・・・・+w19×M19+w110×M110

       =0.4948×0.4948+0.7003×2.2803+・・・・+4.8373×1.4774+5.0990×1.5564=43.7623

L2=w21×M21+w22×M22+・・・・・+w29×M29+w210×M210=38.0956

                :            :

L15=w151×M151+w152×M152+・・・+w159×M159+w1510×M1510=35.8312

L16=w161×M161+w162×M162+・・・+w169×M169+w1610×M1610=34.2973

 有効序数     r1~16 r1=M112+M122+M132+・・・・+M192+M1102

r1,2,9,10=R1=1.61242+2.28032+2.79282+・・・・・・+4.56072+4.83732+5.09902=143.0

r3,4,11,12=R2=1.32282+1.87082+2.29122+・・・・・・+3.74162+3.96862+4.18332=96.25

r5,6,13,14=R3=1.32282+1.87082+2.29122+・・・・・・+3.74162+3.96862+4.18332=96.25

r7,8,15,16=R4=1.07232+1.51652+1.85742+・・・・・・+3.03312+3.21712+3.39112=63.25

比例項の変動  Sβ=(L1+L2+L3+・・・+L15+L16)2/4(R1+R2+R3+R4) =242.0107 (自由度1)

電力量の最大・最小の違いによる変動

N×β=((L1+L3+・・+L13+L15)2+(L2+L4+・・+L14+L16)2)/2(R1+R2+R3+R4)-Sβ=0.4529 (自由度1)

切削速度の違いによる変動

 SQ×β= ((L1+L2+L5+L6+L9+L10+L13+L14)2/4(R1+ R3)

+(L3+L4+L7+L8+L11+L12+L15+L16)2)/4(R2+R4)-Sβ=1.8253 (自由度1)

送り速度の違いによる変動

 SM×β=((L1+L2+L7+L8+L17+L18+L23+L24)2/4(R1+R2)

+(L9+L10+L15+L16+L25+L26+L31+L32)2)/4(R3+R4)-Sβ=0.1256 (自由度1)

無負荷・切削時の違いによる変動

 SM‘×β=((L1+L2+L3+L4+L13+L14+L15+L16)2/2(R1+R2+R3+R4)

+(L17+L18+L19+L20+L29+L30+L31+L32)2)/2(R1+R2+R3+R4)-Sβ=10.9573 (自由度1)

誤差変動   Se=St-Sβ-SN×β-SQ×β-SM×β-SM‘×β=0.3170 (自由度155)

誤差分散   Ve=Se/155=0.0020

プールした誤差変動   SN=Se+SN×β=0.7699

プールした誤差分散   VN=SN/156=0.0049

SN比         =10Log((Sβ-Ve)/VN/4(R1+R2+R3+R4))=14.878

感度          =10Log((Sβ-Ve)/4(R1+R2+R3+R4))=8.189

上記と同様の計算をTiCNコーテッド粉末ハイスも行い,求めた両ドリルのSN比および感度を表5に示す。

表5 SN比,感度の比較(摩耗の有無を含めない場合)


SN比

感度

ハイス

14.878

-8.189

TiCNコーテッド粉末ハイス

13.124

-8.001

1.754

―0.188

ハ イスとTiCNコーテッド粉末ハイスのSN比の差は1.754で,これを実数に直すと10(SN比の利得/10)=1.497となり,ハイスの方が約 50%電力的に安定していた。また感度の差は-0.188で,同様に10(感度の利得/10)=0.957となり,ハイスの消費電力量が約4.3%少なく なっている。図1の電力波形からも全体的にハイスの電力が少ないことがわかる。表6を見るとハイスの方が切削速度(ドリル回転数)や送り速度による変化が 少ないことがわかる。これは現状ハンドドリルなどでの利用が主であるハイスとしては有利な特徴と言える。2つのドリルの違いは刃形以外にはドリル素材, コーティングの有無があるが,摩耗のない状態での比較であり,ドリル素材等の影響は少ないことから,この違いはドリル刃形の違いによると考えられる。ハイ スは逃げ面を平面研削部から連続的に変化させることで切削性,刃先強度を上げ,またチゼルにシンニングを施すことで食い付き性の向上を狙っておりその効果 が表れていると思われる。

表6 工具摩耗を含めない場合の分散分析表

要因


ハイス

TiCNコーテッド粉末ハイス

自由度f



比例項 β

1

252.7657

252.7657

94.65%

242.0107

242.0107

93.45%

電力max,min N

0.5014

0.5014

0.18%

0.4529

0.4529

0.19%

切削速度 Q

2.5253

2.5253

0.71%

1.8253

1.8253

0.93%

送り速度 M

0.3213

0.3213

0.05%

0.1256

0.1256

0.12%

無負荷・加工時 M‘

13.6648

13.6648

4.29%

10.9573

10.9573

5.05%

誤差 e

155

0.7027

0.0045

0.12%

0.3170

0.0020

0.26%

160

270.4811



255.6888



5.2 摩耗の有無を含めた特性評価

5.1 では摩耗の無い新しい工具での比較を行ったが,次は工具摩耗の影響を考慮した評価を行う。そこで2つのドリルでSUS430に20穴の穴加工を行い,摩耗 がある程度生じた状態のドリルを使い,同様の評価を行うこととした。表1の4条件で穴加工を行い,その際の電力波形を測定し,このデータを摩耗有りのデー タ,

表7 実験データ(ハイスの場合)

M‘

N‘

累積時間

M1

M2

M3

M4

M5

M6

M7

M8

M9

M10

無負荷時電力量

(OFF時)





1.61245

2.28035

2.79285

3.22490

3.60555

3.94968

4.26615

4.56070

4.83735

5.09902

送り速度

0.08mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗無

Max

0.49489

0.70033

0.85793

0.98970

1.10650

1.21024

1.30520

1.39418

1.47747

1.55644

Min

0.43049

0.60903

0.74709

0.86282

0.96363

1.05357

1.13631

1.21341

1.28589

1.35437

摩耗有

Max

0.48713

0.68883

0.84334

0.97386

1.08830

1.19252

1.28830

1.37759

1.46162

1.54077

Min

0.42778

0.60640

0.74191

0.85717

0.95714

0.43792

1.13425

1.21338

1.28716

1.35655




1.32288

1.87083

2.29129

2.64575

2.95804

3.24037

3.50000

3.74166

3.96863

4.18330

切削速度

15m/min

摩耗無

Max

0.47244

0.66754

0.81749

0.94436

1.05497

1.15352

1.24390

1.32779

1.40658

1.48102

Min

0.42713

0.60321

0.73899

0.85320

0.95385

1.04244

1.12433

1.19997

1.27060

1.33802

摩耗有

Max

0.46757

0.661306

0.81025

0.93533

1.04556

1.14427

1.23501

1.31984

1.39919

1.47390

Min

0.42787

0.60492

0.74031

0.85461

0.95577

1.04628

1.12896

1.20681

1.27965

1.34842





1.32288

1.87083

2.29129

2.64575

2.95804

3.24037

3.50000

3.74166

3.96863

4.18330

送り速度

0.12mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗無

Max

0.40161

0.56812

0.69547

0.80242

0.89748

0.98476

1.06542

1.14003

1.21027

1.27637

Min

0.34846

0.49333

0.60455

0.69802

0.78019

0.85671

0.92784

0.99308

1.05422

1.11169

摩耗有

Max

0.39973

0.56557

0.69268

0.80005

0.89461

0.98016

1.05857

1.13180

1.20022

1.26502

Min

0.35528

0.50091

0.61332

0.70808

0.79167

0.86663

0.93621

1.00031

1.06031

1.117710




1.07238

1.51658

1.85742

2.14476

2.39792

2.62679

2.83725

3.03315

3.21714

3.39116

切削速度

15m/min

摩耗無

Max

0.38208

0.54003

0.66116

0.76321

0.85331

0.93457

1.00915

1.07835

1.14261

1.20314

Min

0.34565

0.48790

0.59765

0.68986

0.77086

0.84447

0.91100

0.97308

1.03099

1.08571

摩耗有

Max

0.38243

0.54028

0.66159

0.76321

0.85377

0.93326

1.00657

1.07502

1.13883

1.19972

Min

0.34911

0.49337

0.60368

0.69606

0.77810

0.85080

0.91725

0.98031

1.03842

1.09397

切削時電力量

(ON時)





1.61245

2.28035

2.79285

3.22490

3.60555

3.94968

4.26615

4.56070

4.83735

5.09902

送り速度

0.08mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗無

Max

0.68897

0.98008

1.213456

1.41588

1.58749

1.74480

1.89324

2.03524

2.17563

2.30353

Min

0.64080

0.90879

1.12230

1.30490

1.46299

1.60704

1.74205

1.86919

1.99161

2.10669

摩耗有

Max

0.75882

1.07167

1.31810

1.52088

1.70373

1.86766

2.01826

2.15818

2.29565

2.41933

Min

0.69937

0.98915

1.20373

1.38883

1.55119

1.69720

1.83080

1.95379

2.06780

2.17810




1.32288

1.87083

2.29129

2.64575

2.95804

3.24037

3.50000

3.74166

3.96863

4.18330

切削速度

15m/min

摩耗無

Max

0.66602

0.94577

1.16106

1.35125

1.51642

1.66846

1.81023

1.94745

2.07209

2.18073

Min

0.63424

0.89923

1.10259

1.28163

1.43837

1.58183

1.71609

1.84596

1.96448

2.06761

摩耗有

Max

0.75150

1.06685

1.31041

1.51957

1.70279

1.86764

2.01674

2.15116

2.27686

2.39645

Min

0.69360

0.98035

1.20240

1.39302

1.56377

1.72175

1.86739

1.99616

2.12034

2.23744





1.32288

1.87083

2.29129

2.64575

2.95804

3.24037

3.50000

3.74166

3.96863

4.18330

送り速度

0.12mm/rev

切削速度

10m/min

摩耗無

Max

0.61588

0.86918

1.06822

1.23636

1.38445

1.51881

1.64346

1.76127

1.87350

1.97564

Min

0.57907

0.81680

1.00433

1.16219

1.30135

1.42818

1.54561

1.65672

1.76247

1.85909

摩耗有

Max

0.68913

0.98691

1.21109

1.40654

1.57570

1.72955

1.87152

2.00641

2.13196

2.24638

Min

0.63704

0.90291

1.10509

1.28274

1.43953

1.57921

1.70942

1.83007

1.94222

2.04727




1.07238

1.51658

1.85742

2.14476

2.39792

2.62679

2.83725

3.03315

3.21714

3.39116

切削速度

15m/min

摩耗無

Max

0.58356

0.82967

1.01888

1.18308

1.33454

1.47110

1.60137

1.72871

1.85276

1.97730

Min

0.55981

0.79587

0.97565

1.13262

1.27424

1.40586

1.53179

1.65426

1.77496

1.89498

摩耗有

Max

0.67805

0.93262

1.13098

1.29749

1.44923

1.59566

1.73172

1.86280

1.99293

2.11934

Min

0.63919

0.88356

1.07324

1.23318

1.37691

1.52005

1.65417

1.78277

1.91060

2.03430

5.1項のデータを摩耗無しのデータとして,表7に示す通りデータ整理を行いSN比および感度を求めた。ハイスの場合の計算手順を以下に示す。

(SN比および感度の計算手順:摩耗の有無を含めた計算:ハイスの場合)

全二乗和  St=w112+w122+w132+・・・・・・・+w3282+w3292+w32102 (自由度320)

       =0.49482+0.70032+0.85792+・・・・・・+1.78272+1.91062+2.03432=543.52436

線形式   L1=w11×M11+w12×M12+・・・・・+w19×M19+w110×M110

       =0.4948×0.4948+0.7003×2.2803+・・・・+4.8373×1.4774+5.0990×1.5564=43.7623

L2=w21×M21+w22×M22+・・・・・+w29×M29+w210×M210=38.0956

L3=w31×M31+w32×M32+・・・・・+w39×M39+w310×M310=43.1919

                :            :

L31=w301×M301+w302×M302+・・・・・+w309×M309+w3010×M3010=34.2973

L31=w311×M311+w312×M312+・・・・・+w319×M319+w3110×M3110=38.8537

L32=w321×M321+w322×M322+・・・・・+w329×M329+w3210×M3210=37.1044

 有効序数     r1~32 r1=M112+M122+M132+・・・・+M192+M1102

r1,2,3,4,17,18,19,20=R1=1.61242+2.28032+2.79282+・・・・・・+4.56072+4.83732+5.09902=143.0

r5,6,7,8,21,22,23,24=R2=1.32282+1.87082+2.29122+・・・・・・+3.74162+3.96862+4.18332=96.25

r9,10,11,12,25,26,27,28=R3=1.32282+1.87082+2.29122+・・・・・・+3.74162+3.96862+4.18332=96.25

r13,14,15,16,29,30,31,32=R4=1.07232+1.51652+1.85742+・・・・・・+3.03312+3.21712+3.39112=63.25

比例項の変動 Sβ=(L1+L2+L3+・・・+L30+L31+L32)2/8(R1+R2+R3+R4) =507.7360 (自由度1)

電力量の最大・最小の違いによる変動

N×β=((L1+L3+・・+L29+L31)2+(L2+L4+・・・+L30+L32)2)/4(R1+R2+R3+R4)-Sβ=1.1052 (自由度1)

摩耗の有無による変動

N‘×β=((L1+L2+・・・+L29+L30)2+(L3+L4+・・・+L31+L32)2)/4(R1+R2+R3+R4)-Sβ=0.2836 (自由度1)

切削速度の違いによる変動

 SQ×β= ((L1+L2+L3+L4+・・・+L25+L26+L27+L28)2/8(R1+ R3)

+(L5+L6+L7+L8・・・・・+L29+L30+L31+L32)2)/8(R2+R4)-Sβ=4.1288 (自由度1)

送り速度の違いによる変動

 SM×β= ((L1+L2+・・・+L7+L8+L17+L18+・・・+L23+L24)2/8(R1+R2)

+(L9+L10+・・・+L15+L16+L25+L26+・・・+L31+L32)2)/8(R3+R4)-Sβ=0.4455 (自由度1)

無負荷・切削時の違いによる変動

 SM‘×β=((L1+L2+L3+L4+・・・+L13+L14+L15+L16)2/4(R1+R2+R3+R4)

+(L17+L18+L19+L20・・・+L29+L30+L31+L32)2)/4(R1+R2+R3+R4)-Sβ=28.2915 (自由度1)

誤差変動   Se=St-Sβ-SN×β-SN‘×β-SQ×β-SM×β-SM‘×β=1.8173 (自由度314)

誤差分散   Ve=Se/314=0.0058

プールした誤差変動   SN=Se+SN×β+SN‘×β=3.2061

プールした誤差分散   VN=SN/316=0.0101

SN比         =10Log((Sβ-Ve)/VN/8(R1+R2+R3+R4))=11.9555

感度          =10Log((Sβ-Ve)/8(R1+R2+R3+R4))=7.9816

上記と同様の計算をTiCNコーテッド粉末ハイスも行い,求めた両ドリルのSN比および感度を表8に示す。

表8 SN比,感度の比較(摩耗の有無を含めた場合)


SN比

感度

ハイス

11.956

-7.982

TiCNコーテッド粉末ハイス

13.087

-8.001

-1.131

0.019

  表に示す通り5.1項に比べSN比が逆転しており,ハイスがTiCNコーテッド粉末ハイスに比べ1.131dBもSN比が悪くなっておりバラツキが増大す る結果となった。感度もハイスがわずかに大きくなり,図3に示すようにハイスで主軸電力の変動が大きくなった。試験後のドリル刃先を写真1に示す。2つの ドリルともに刃先の外周コーナ部に小さな折損が見られ,また切れ刃にはほぼ定常的な摩耗が見られる。ハイスがチゼルのシンニング部で欠損が見られるのに対 し,TiCNコーテッド粉末ハイスはスリーレーキ形状のチゼル部を持つため,摩耗は見られるものの大きな欠損が生じていないことが分かる。シンニングはチ ゼル刃長を短くする一方、チゼル刃にある程度のすくい角を与え,加工時の食い付き性や求心性を改善し,ドリルの芯部に働く大きなスラスト抵抗を減ずる処理3)で ある。しかしチゼル刃がある程度のすくい角を持つため刃先強度が弱くなり切削負荷に対し欠損を生じ易くなる危険性を持つことになる。これに対しTiCN コーテッド粉末ハイスのスリーレーキ形状のチゼル刃は大きな負のすくい角を持ち刃先強度が大きいため欠損等が生じにくいと考えられる。スリーレーキ形状は 一般的にチゼル部を小さくする(なくす)ことでスラスト荷重が減少する効果を持つ。その反面トルクが大きくなるので,TiCNコーテッド粉末ハイスの主軸 電力が全体的に大きくなっていると考えられる。

clip_image029以 上ことから,外周コーナ部や切れ刃での摩耗状態に差がないことから,チゼルのシンニング部で摩耗や欠損が生じたため,ハイスは初期の性能が大きく低下した ものと考えられる。また写真2からもわかるように初期段階からハイスのドリルは刃先形状や表面の状態が悪い。初期では問題とならないこれらのバラツキが摩 耗や欠損が生じた際には性能への影響が大きいと予想される。状態の悪さはドリル刃先を加工する際の加工機の精度や砥石等の問題であり今後の改善課題でと考 える。











clip_image033


A社(ハイス)




clip_image034 clip_image035


 摩耗無し                      摩耗有り

図3 摩耗の有無による電力波形の変化(条件④)









clip_image040

A社




B社


写真2 ドリル刃先の摩耗状態

5.3 ドリル素材の影響(B社素材(粉末ハイス)とした場合の特性評価)

  5.2項でSN比が逆転する結果となった。その原因としてチゼル部の損傷の大きさが安定性に悪影響を及ぼしていると考えられた。2つのドリルでドリル刃先 の形状以外に工具摩耗や欠損の違いに及ぼす因子として,使用しているドリル素材の違い(粉末ハイスと通常のハイス),表面への硬質薄膜コーティングの有無 の違いがある。そこでドリル素材の違いを無くすためB社(TiCNコーテッド粉末ハイス)ドリルにA社製ハイスの刃先形状を研削加工したドリルを使い試験 を行うこととした。B社素材のA社製ハイスでSUS430に20穴の加工を行い,摩耗が進んだ状態で,表1に示す条件で加工時の電力波形を測定した。これ を摩耗有りのデータとして,5.2項と同様の解析を行いSN比および感度を求めた。表9に示す通りハイスのSN比および感度が改善され,TiCNコーテッ ド粉末ハイスと同等となった。また図4に示すように主軸電力の変動も少なくなっている。写真3に試験前後のドリル刃先を示す。5.2項で見られたチゼルの シンニングでの欠損が見られず摩耗はあるもののまだ良好な切れ刃を維持している。ドリル素材がTiCNコーテッド粉末ハイスと同じとなり,素材の耐摩耗 性・欠損性が向上した効果と考えられる。ただ摩耗無からのSN比の低下がハイスでは大きい。シンニング処理による初期の切削性能向上があるが、摩耗等の進 展による性能低下が大きいことが生じている。シンニング形状の工夫による初期性能と耐久性とのバランスをとる検討が必要と考えられる。

表9 SN比および感度の比較(ドリル素材を同じとした場合)


SN比

感度

新品時

摩耗を考慮

新品時

摩耗を考慮

ハイス

14.878

13.124

1.754

-8.189

-8.064

0.125

TiCNコーテッド粉末ハイス

13.124

13.087

0.037

-8.001

-8.001

1.753

0.037


―0.188

-0.063


表10 工具摩耗も含めたSN比の分散分析表

要因


ハイス

B社

自由度f



比例項 β

1

498.24255

498.24255

93.763%

512.6951

512.6951

93.247%

電力max,min N

0.9311

0.9311

0.175%

0.9144

0.9144

0.166%

工具摩耗の有無 N‘

0.1030

0.1030

0.019%

0.0252

0.0252

0.005%

切削速度 Q

4.2253

4.2253

0.795%

4.9805

4.9805

0.906%

送り速度 M

0.4745

0.4745

0.089%

0.7697

0.7697

0.140%

無負荷・加工時 M‘

26.14311

26.14311

4.920%

28.9109

28.9109

5.258%

誤差 e

314

1.3701

0.0044

0.258%

1.5553

0.0050

0.283%

320

531.38666



549.8258



clip_image033[1]clip_image042

 A社                   B社素材使用

図4 素材の変更による電力波形の変化(条件④)



clip_image045

写真3 チゼル部の摩耗状態

5.4 コーティングの有無の影響

clip_image0462 つのドリルのもう一つの違いである表面への硬質薄膜コーティングの有無について検討した。A社製ハイスのドリル表面にTiN膜(厚さ1μm程度)をコー ティングしたドリルを作成し,加工試験を行い同様の評価を行った。TiN薄膜はイオンプレーティング法で製膜した。製膜条件は右の通り。評価は5.1項と 同じ摩耗の無い新しいドリルでの評価とした。表1に示す条件で4つの穴加工を行い加工時の電力波形を測定し,SN比および感度を求めた。その結果を表11 に示す。

表11 SN比,感度の比較(摩耗の有無を含めた場合)


SN比

感度

ハイス

14.878

-8.149

ハイス+TiN膜

14.806

-7.946

TiCNコーテッド粉末ハイス

13.087

-8.001

表 11に示す通り今回の試験ではコーティングを施すことでわずかだがSN比が低下することとなった。また感度は大きくなり,コーティングの有無の差 は,-0.2436となった。これを実数に直すと10(感度の利得/10)=1.058となり,コーティングにより消費電力量が約6%増加することとなっ た。SN比の低下,主軸電力量が増加した原因について,

 ①膜の有無による粗さの違い,②コーティング層の摩擦係数が大きくなった,③刃先などの形状変化

が 考えられる。しかし、刃先の表面粗さを測定したがほとんど変化がなく、またTiN層は摩擦係数が小さいことから,①②が原因とは考えられない。そこでコー ティング後の刃先形状の変化を検討した。写真4に示す通り若干のダレが見られ膜品質の影響が原因の一つと考えられる。



clip_image049

写真4 摩耗の有無による電力波形の変化

6. まとめ

 2種類のドリルの比較を品質工学の機能性評価により行った結果,

①ドリルの加工特性を電力,スラスト荷重で比較したところ,加工初期ではA社製ハイスが加工時の電力が安定しており,刃先形状の効果が見られた。

②摩耗を含めた評価ではB社製TiCNコーテッド粉末ハイスが良好となった。ハイスの性能悪化はチゼル部のシンニングに生じた損傷の影響が大きいと考えられる。

③ドリル素材の改善により耐摩耗・欠損性を向上させることでハイスの性能改善が見られた。今後はチゼル部のシンニング処理の改善が課題。

④TiN膜のコーティング処理により消費電力が増加した。膜品質の影響がその原因のひとつと思われる。

7. 参考文献

1)A社製品紹介CD-ROMカタログ。

2)平井,他,品質工学,4,10,(2002),53~59。

3)藤村,実用切削加工法第34版,434,3448。

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